Домой Japan Japan — in Japanese オンライン授業はなぜ難しい?現場で試行錯誤を続ける大学教員・常見陽平氏に課題を聞く

オンライン授業はなぜ難しい?現場で試行錯誤を続ける大学教員・常見陽平氏に課題を聞く

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新型コロナウイルスに関連する緊急事態宣言が解除され、 東京都の 自粛要請も緩和されつつあるもの 、 多くの 生徒・ 学生が一度に集まる学校は、 まだまだ難しい舵取りを迫られている。 感染症により登校がしづらい状況が続くなか、 この 機会に広がったの がオンライン授業だ。 多くの 大学で「春学期は原則オンライン」 に 写真AC なかでも、 一度に多くの 人が授業を受けることもある大学では、 春学期が終わるまで「原則オンライン授業」 としている場合が多…
新型コロナウイルスに関連する緊急事態宣言が解除され、東京都の自粛要請も緩和されつつあるものの、多くの生徒・学生が一度に集まる学校は、まだまだ難しい舵取りを迫られている。感染症により登校がしづらい状況が続くなか、この機会に広がったのがオンライン授業だ。多くの大学で「春学期は原則オンライン」に
写真AC
なかでも、一度に多くの人が授業を受けることもある大学では、春学期が終わるまで「原則オンライン授業」としている場合が多い。学生数の多い東京大学、京都大学などの国立大学および、慶應大学、早稲田大学などの私立大学でも基本的な指針は同様だ。
主要大学の開講状況(6月18日時点)
大学名授業開始日現在の対応
東京大学4月3日オンライン授業のみ
京都大学5月7日対面授業は原則停止、オンライン授業中心
大阪大学4月20日原則、メディア授業のみを実施
九州大学5月7日原則、遠隔授業のみの開講
慶應大学4月30日原則として、オンラインを活用した授業
早稲田大学5月11日春学期の授業はオンライン
同志社大学5月12日春学期開講科目の授業は、原則ネット配信により実施
立命館大学5月7日春学期を通じてWEBを活用
ところがSNSなどを見る限り、「システムが使いにくい」「目が疲れる」など、オンライン授業の評判はよいものばかりではない。なぜオンライン授業は難しいのだろうか。さまざまな工夫をしながら実際に授業をおこなっている千葉商科大学国際教養学部の常見陽平准教授に話を聞いた。
同氏は5月11日からオンライン授業を開始。すでに1ヶ月半以上のあいだ、オンライン授業を続けているという。オンライン授業については、好評な面もあるものの、課題もあると明かしてくれた。
千葉商科大学国際教養学部の常見陽平准教授欠席は減ったものの、コミュニケーションを求める声が増える
— オンライン授業が続いていますが、学生の反応はどうでしょうか
あくまで私見であり、大学を代表してのコメントではないということをご理解頂きたいのですが、私が担当している科目に関していうと学校に来なくてもいいということもあり、欠席や遅刻は劇的に減っています。その一方で、キャンパスに行く機会が持てなくなっていることから「みんなと会いたい」「先生と会いたい」といったリアルな場でのコミュニケーションを求める声はよく聞きます。教員としても、よりきめ細かく指導するということが難しくなっているなという実感はありますね。特に1年生は、入学したらすぐにオンラインですから。友達づくりなどが難しいのではないかと思います。
コミュニケーションという意味では、やはり表情を見ながらやりとりしたほうがお互いのことがわかりやすいので、いかに嫌がられない形でカメラをONにしてもらうかというのも課題のひとつです。
—— オンラインとなると、色々と勝手が違うのではないかという心配もあります
画面の前という環境は、全員が最前列で授業に参加しているのと近い状況です。その上、教員は授業に飽きさせない工夫として授業の途中に課題を出したり、Microsoft Teams(以下、Teams)のチャネル機能を使ってグループワークをしたりするのですが、これが一日に何コマも続くので「緊張する」とか「ぐったり疲れる」といった声も聞かれます。
また、様々な大学で起きている現象ですが、いつの間にかこれまでよりも宿題が増えているということがあるようです。世の中が止まっていて、学生にも時間があると想定し、多くの先生が「オンラインの授業だけでは定着度がわからない」と課題を出しているのでしょう。結果的に学生の負担が増えてしまっています。卒業論文にとりかかっている4年生の場合は、大学はもちろん、図書館が閉まっていることで、集中して勉強する場所を確保できなかったり、文献に当たりにくい状況になっていたりするようです。
就職活動についても、周囲の様子が分かりづらい状況になっているので、自ら進んで積極的に取り組む学生と、そうでない学生の間に差が生まれがちです。一方で、オンラインだけで内定が出たという学生もいますが、そうした学生も直接企業を訪問したわけではないので、社内の雰囲気が掴みにくいという話は聞いています。「新型コロナウイルスショックで就職氷河期再来か?」という報道もありますが、実は学生からの相談で最も多いのは内定辞退や内定保留に関するものです。企業が囲いこもうとするために、内定承諾書を書かせようとするのですよね。法的拘束力はないのですが。企業側の焦りを感じます。教員同士のネットワークでオンライン授業のノウハウを共有
—— 授業を実施する先生側の反応はどうですか
今回、新型コロナウイルスによって一斉にオンライン授業をやることになったわけですが、当初は戸惑いやトラブルなどもあったものの、一方、すさまじいスピードでPDCAサイクルが回っているなと感じます。実際にやってみて「これはよくなかった」「あれはよかった」など、教員同士でも情報共有がすすんでいますね。
また、通信環境があまりよくない学生もいるので、授業の資料を前日の夜に掲示して、回線が混んでいないあいだにダウンロードしてもらう、オンデマンド型授業でも教員はその時間に待機するなど、ルールを明確にし、運用しています。
一方で、授業の準備などの負担はやはり増えています。このほか、リアルタイムでおこなうオンライン授業は学生の理解度が必ずしも把握しきれなかったり、話を聞いてくれているという実感が薄いまま画面に向かって話し続けるので、教員も精神的に疲れているようです。実際、私は疲れました(笑)。教室と違い、マイクがないので、PCに向かって話すうちに喉をからしてしまうこともあります。
—— 常見さんは、どのような工夫をされていますか
「快適に受けられるか」という点と「生の授業を受けている感」を大事にしています。本学ではオンデマンド授業も認められているので、YouTubeのURL限定公開で授業の動画を6~70分ほど見てもらった後、Teamsを使って議論をしたり質問に答えるなど、双方向のセッションをやっています。
オンデマンド型は通信量の点で有利ともいえ、パケ死を気にする学生にとっても有益ですし、YouTubeは学生にとって慣れ親しんだプラットフォームで使いやすい。 Teamsで双方向性を担保すれば、「学んだ」という実感が得やすのではないかと思っています。また学生側も工夫はしていて、1.

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