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甲子園球児支える阪神園芸の“神整備” 「思い出持ち帰って」

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白のラインが映える土に青々とした芝――。第93回選抜高校野球大会が行われている高校球児の聖地、阪神甲子園球場は「日本一の球場」とも呼ばれる。躍動する球児たちを裏で支えるのが、グラウンドキーパーたちによる「神整備」だ。
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白のラインが映える土に青々とした芝――。第93回選抜高校野球大会が行われている高校球児の聖地、阪神甲子園球場は「日本一の球場」とも呼ばれる。躍動する球児たちを裏で支えるのが、グラウンドキーパーたちによる「神整備」だ。 甲子園球場のグラウンド整備を一手に担うのは、球場を所有する阪神電鉄の子会社で、1968年設立の「阪神園芸」(兵庫県西宮市)。79年から甲子園のグラウンド整備を本格的に手掛け、「日本一」とも呼ばれるコンディションを維持してきた。スピーディーかつ丁寧な職人技は、野球ファンの間では有名だ。 阪神園芸の整備技術が全国に広まったのは、2017年10月のプロ野球クライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦がきっかけ。大雨の中で行われた阪神―DeNA戦。内野のいたるところに水がたまり、外野の天然芝にも水が浮き始めていた。普通なら試合が中止になってもおかしくない状況だったが、グラウンドキーパーたちはイニングごとに速乾性の土を運び込み整備を続け、最後まで試合続行を支えた。第3戦前には傷んだ内外野は元通りに整備され、SNS(ネット交流サービス)上では「神整備」など称賛のコメントが並んだ。 今回のセンバツでは、大会第3日の21日が降雨により中止となり順延されたが、この日も「試合の実施が決まれば、1時間後には練習を始められるように準備していた」と話すのは、同社甲子園施設部長の金沢健児さん(53)だ。運ぶ土の量や整備の順番、降水量や気温までこまめにチェックし、「体に染みついたもの」があると自信を見せる。 甲子園を知り尽くす金沢さんは「最もグラウンド状況が良いのは、実はセンバツが行われるこの時期」と明かす。選手たちがプレーする上で最も重要なのは土の硬さだといい、それを左右するのが気温だ。例年シーズンオフの1~2月、土で固めた内野全面を25センチほど掘り起こし、固め直す大規模なメンテナンスを施す。表面だけでなく内部まで「適度な硬さ」に仕上がるのが、最高気温15度を超えたあたりだからだ。金沢さんは「球児たちが最初にできあがったばかりのグラウンドでプレーできる。甲子園が初めての選手には分からないだろうが、春と夏でも(感触の)違いがある」と話す。 今大会は社員10人にアルバイトを加えた計約20人で日々の整備に臨む。1日に最大4試合を行う甲子園大会では「どの試合も同じ」に仕上げるのが絶対条件。新型コロナウイルス感染症対策での試合後の消毒のため、いつもより試合間隔が10分長いことで、金沢さんは「少しだけ余裕があるかな」と笑う。 整備だけでなく、選手たちへの「神対応」も光る。甲子園球児といえば、敗れたチームがグラウンドの土を集めて持ち帰る姿が恒例だが、昨夏の甲子園交流試合から感染症防止の観点から控えるよう呼び掛けられ、代わりに球場側が用意した土がチームに贈られる。当初はネット上には「どうせ倉庫の土」などの声が上がったが、実際に阪神園芸が用意するのは、全てグラウンドから集めてふるいにかけた「甲子園の土」だ。金沢さんは「確かに土は倉庫のものと同じものだが、選手にとっては全く意味が違うはず。できることはしたい」と語る。 28日も悪天候で中止になったが、「春の嵐」が吹き荒れた後の翌日のグラウンドはいつもと変わらぬ美しさを取り戻し、準々決勝の熱戦を迎えた。 「最高の条件でプレーして、良い思い出を持ち帰ってもらう。そんな舞台を整えるのが私たちの仕事」と金沢さん。そんな信念のもと、日々やるべきことはこれからも変わらない。 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します( https://mainichi.

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