Домой Japan Japan — in Japanese 初開催 パリ五輪 予選シリーズ 見えた課題と可能性【解説】

初開催 パリ五輪 予選シリーズ 見えた課題と可能性【解説】

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パリオリンピックの開幕までまもなく2か月。本番直前のこの時期に開催されたアーバンスポーツの“パリオリンピック予選シリーズ…
パリオリンピックの開幕までまもなく2か月。本番直前のこの時期に開催されたアーバンスポーツの“パリオリンピック予選シリーズ”は、若者へのスポーツへの関心を高め、オリンピック本番を盛り上げようというIOC=国際オリンピック委員会の初めての試みでした。
その第1戦となる中国・上海大会の 間の戦いからは、オリンピック本番を見据えてさまざま課題や、新たな可能性が見えてきました。
(スポーツニュース部記者 松山翔平・古堅厚人・森脇貴大)
アーバンスポーツ 1つの会場で

今大会では、スケートボードとスポーツクライミング、自転車のBMXフリースタイル、そしてパリオリンピックの新競技となるブレイキンの4つが1つの会場で行われました。
それぞれオリンピックの切符を争う“最終予選”の位置づけで、 にハンガリーで開かれる第2戦と合わせて、オリンピックの代表選手が決まります。 “相次ぐ波乱”スケートボード

オリンピックでストリートとパークの2種目が行われるスケートボードは、世界トップレベルの実力を誇る日本選手どうしの激しい代表争いが続いています。

しかし、今大会ではこれまでスケートボード界を引っ張ってきたトップランナーが、決勝に進めないという事態が相次ぎ、改めて代表争いのしれつさが浮かび上がりました。 堀米雄斗 選手

中でも最も衝撃的だったのは男子ストリートの東京オリンピック金メダリスト、堀米雄斗選手の予選敗退でした。
スケートボードは2年前から対象となる国際大会で選考レースが続いてきましたが、ここまで日本勢4番手と、選考レースそのものでも苦戦する場面が目立っていました。今回の予選敗退でオリンピック連覇をねらうパリ大会出場へ厳しい状況に立たされました。 “王者”堀米 苦戦の背景は

堀米選手が、選考レースで苦戦している背景には東京オリンピックのあとに行われたルール変更があります。

【東京五輪まで】
45秒の「ラン」を2回、「ベストトリック」を5回行い、すべての中で得点の高い4回の合計点で争う。
【今のルール】
2回の「ラン」のうちの1回と、5回の「ベストトリック」のうち2回を合わせた得点で争う形式に変更され、「ラン」の得点が必ず含まれる形に。

「ベストトリック」で大技を持つ堀米選手は、東京オリンピックでは「ラン」のミスを得意の「ベストトリック」で挽回して金メダルを獲得しました。そして今でも「ベストトリック」では90点台中盤をマークできる複数の技を持つなど、世界トップクラスの力を持っています。

一方で「ラン」は、堀米選手本人が「緊張もあり、自信のあるトリックでもミスをしてしまうことがある」と話すように、失敗するケースが度々あります。
そして、今大会の予選は、その「ラン」を2回行って高い方の得点が競われました。
堀米選手は1回目でミスなく技を決めたものの得点が伸びず、難度を上げようとした2回目でミスが出て、わずかの差で17位に終わり、16人が進出し得意の「ベストトリック」が実施される準決勝の前に姿を消しました。 ストリート“ラン”の難しさ

女子ストリートでも、去年の世界選手権で金メダルを獲得した織田夢海選手が、苦手とする「ラン」で2回ともミスが出て、予選で敗退しました。 織田夢海 選手 ミスが出て予選敗退

そして準決勝で東京オリンピック金メダリストの西矢椛選手が「ラン」を2回とも失敗し、後半の「ベストトリック」で巻き返したものの、わずかに決勝進出には届きませんでした。 吉沢恋 選手

一方で14歳の吉沢恋選手は「予選からランで得意技を入れて難度を上げ、得点を上げられるようにした」と話し、その作戦が的中して3位に入り、一気にポイントを積み上げました。

「ラン」は技術以外にも、45秒間で1つの技も“失敗できない”という重圧との戦いとなります。
予選でもそのあとのステージでも「ラン」は2回しか行われず、最初に失敗するとあとがなくなるという点でも、選手たちにとってはプレッシャーがさらにかかることになります。
ストリートの代表争いは、いかに「ラン」でミスをせず、得点を出していけるかがポイントとなりそうです。 新星の台頭 混戦の代表争い 小野寺吟雲 選手

選手の年齢層が若いスケートボード界では、今大会でも若い選手の活躍が目立ちました。
男子ストリートで2位に入った小野寺吟雲選手は14歳。 赤間凛音 選手

女子ストリートで2位の赤間凛音選手は15歳。

そして女子パークで5位だった長谷川瑞穂選手は、まだ13歳です。 長谷川瑞穂 選手

一方で、男子ストリートの世界ランキング1位、白井空良選手や女子パークの世界ランキング2位の草木ひなの選手は決勝に進めず、各種目最大3人までとなる日本勢どうしの激しい代表争いは、予選シリーズの1戦を残して、ますますわからなくなってきました。 “海外勢の力”を再認識

今大会でもうひとつ印象的だったのは海外勢の進化です。
オリンピックで初めて採用された東京大会では、日本選手が躍進したアーバンスポーツ界では、3年が経過し世界のレベルも大きく上がってきています。
東京オリンピックで4種目のうち3つで日本選手が金メダルを獲得し日本選手が躍進したスケートボードでは、今回、日本勢はいずれも2位が最高と、健闘はしたものの、優勝を逃す結果となりました。
もともと実力があるアメリカやブラジル、オーストラリア勢に加え、中国など新たな勢力も台頭してきています。 中村輪夢 選手

BMXフリースタイルでは、世界のレベルの高さを再認識させられました。
難易度の高い技を続々と成功させる選手が相次ぎ、予選で敗退した溝垣丈司選手は「世界のレベルは高いなと実感した」話しました。

日本勢で唯一、決勝に進んだエースの中村輪夢選手も「レベルが高い」と漏らしたように、決勝の1回目のランでは、大きなミスはなかったものの、得点は84.

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