Домой Japan Japan — in Japanese ノーベル平和賞にコンゴ医師ら ムクウェゲ、ムラド両氏 内戦下の女性の被害の防止に貢献

ノーベル平和賞にコンゴ医師ら ムクウェゲ、ムラド両氏 内戦下の女性の被害の防止に貢献

311
0
ПОДЕЛИТЬСЯ

ノルウェーの ノーベル賞委員会は5日、 2018年の ノーベル平和賞を発表した。 アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)で武装勢力からの 性的暴力による被害者救済に取り組む産婦人科医
【ロンドン=中島裕介】ノルウェーのノーベル賞委員会は5日、2018年のノーベル平和賞を発表した。アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)で武装勢力からの性的暴力による被害者救済に取り組む産婦人科医のデニ・ムクウェゲ氏(63)と、過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として拘束され生還した人権活動家のナディア・ムラド氏(25)の2人に授与する。
ノーベル平和賞の受賞が決まった、性暴力根絶を訴える活動を続けているナディア・ムラドさん(左)と性暴力を受けた女性の治療に尽力してきたデニ・ムクウェゲ医師=ロイター
ノーベル賞委員会は2人の授賞理由を「戦争の道具としての性的暴力の撲滅に重要な役目を果たした」と指摘した。レイスアンデルセン委員長は記者会見で、セクハラや性暴力を告発する「#MeToo(私も)」運動にも触れ「女性の苦しみや虐待に目を向けたという点で共通している」と述べた。
ムクウェゲ氏が活動するコンゴ民主共和国の東部では政府軍と武装勢力による戦闘が続き、兵士による性暴力が相次いでいる。同国の紛争地帯では女性の3人のうち2人が性暴力を受けているとの情報もあり「少女や女性にとって最悪の場所」(国連)とされる。
ムクウェゲ氏は90年代後半からスウェーデンの協会などの支援を受けて性暴力被害に遭った女性の治療のための病院を設立。これまでに3万人以上の女性を治療し、12年には国連で演説し、コンゴでの大規模な女性の性的被害への実態と当事国政府による対応の必要性を世界に訴えた。
一方、ムラド氏はイラクの少数派宗教ヤジド派の出身。14年にISが同派を襲撃し、多数が虐待され、女性数千人がレイプや拷問、人身売買の対象となった際、ムラド氏も被害者の一人となった。3カ月にわたって性的な暴行を受け続けたが、イスラム教徒の支援によって命懸けで脱出した。
生還後は自らが性的暴行を受けた経験を報道機関に証言し、15年には国連でも当時の心境や、ISへの法の裁きの必要性などを訴えた。16年には国連の人身売買の被害者の大使に就任し、各地で性的暴力を受けた被害者らの尊厳を守る活動を続けてきた。
授賞式は12月10日にノルウェーのオスロで行われる。賞金は2人あわせて900万スウェーデンクローナ(約1億1300万円)が贈られる。

Continue reading...