■木村幹・ 神戸大学教授(韓国政治) 破壊的な判決だ。 大法院(最高裁)は、 1965年の 日韓請求権協定を完全に骨抜きにするような事態を招いてしまった。 判決その もの よりも、 判決に至るロジック(論理)がショ…
破壊的な判決だ。大法院(最高裁)は、1965年の日韓請求権協定を完全に骨抜きにするような事態を招いてしまった。
判決そのものよりも、判決に至るロジック(論理)がショッキングだ。大法院は2012年に、「個人が損害賠償を請求する権利は消滅していない」との判断を示した。政府間で解決したはずの請求権問題なのに、その解釈を用いれば、個人は企業だけでなく日本政府にも訴訟を起こせる。一連の大法院の判断は、パンドラの箱を開けてしまったと言える。
韓国では、司法が行政などを正…