柔道の 世界選手権（８～９月、 ハンガリー・ ブダペスト）の 代表選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権が１日、 福岡市の 福岡国際センターで開幕し、 男子３階級、 女子４階級があった。 「有効」 の 廃止など、 昨年１２月に発表された新ルール案が国内主要大会で初めて適用された。
柔道の世界選手権（８～９月、ハンガリー・ブダペスト）の代表選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権が１日、福岡市の福岡国際センターで開幕し、男子３階級、女子４階級があった。「有効」の廃止など、昨年１２月に発表された新ルール案が国内主要大会で初めて適用された。
男子６０キロ級は昨年１２月のグランドスラム東京を制した永山竜樹（りゅうじゅ）＝東海大＝が、リオデジャネイロ五輪銅メダルの高藤直寿（パーク２４）を破って初優勝。同６６キロ級は阿部一二三（日体大）が決勝までの３試合すべて一本勝ちで２連覇を果たした。女子７８キロ超級は高校２年の素根輝（あきら）＝福岡・南筑高＝が準決勝でリオ五輪銅の山部佳苗（ミキハウス）を延長で破り、１９９６年の一見理沙（当時茨城・土浦日大高）以来となる高校生優勝を果たした。同７８キロ級はリオ五輪代表の梅木真美（ＡＬＳＯＫ）が初優勝した。
最終日の２日は男子４階級、女子３階級がある。全日本柔道連盟は終了後に強化委員会を開き、欧州の国際大会などの実績も踏まえて男女の最重量級を除いた１２階級の代表を決める。
２０１５年の世界ジュニアを制した２０歳の逸材が、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの高藤を破った。男子６０キロ級で昨年１２月のグランドスラム東京に続いて、大学の先輩に連勝した永山は「得意だという意識が芽生えた」と笑顔を見せた。
今の勢いそのままに試合開始と同時に飛びかかると、左右両方から得意の背負い投げで相手を翻弄（ほんろう）した。開始１分で相手に指導が与えられてペースをつかむと、その約４０秒後に小外刈りできれいに相手を反転させた。
「人の何倍もやっている」というウエートトレーニングで鍛えた豆タンクのような体から繰り出す、パワフルかつスピーディーな柔道が持ち味だ。男子代表の井上康生監督も「背が小さいが（筋肉が）詰まった体で、小回りも利くので相手もやりにくい」と評価する。
２月のグランドスラム・パリでは一瞬のすきを突かれ、２回戦でウズベキスタンの選手に敗れた。シニア世代での国際大会の実績はないが、優勝インタビューでは「代表に選ばれたら必ず優勝する自信がある」と断言。完勝した試合内容と強気な言葉で、世界選手権の切符獲得を強烈にアピールした。【松本晃】
男子６０キロ級・高藤直寿 （決勝で敗れた）永山は強いし、相性もよくないのかな。後半勝負と（攻めを）ちょっと待ちすぎてしまった。
