ロンドン南西部の 地下鉄パーソンズ・ グリーン駅付近を走る車両内で15日午前8時すぎ(日本時間同午後4時すぎ)、 爆発があった。 BBCによると、 顔にやけどを負うなど22人が負傷した
【ロンドン=小滝麻理子】ロンドン南西部の地下鉄パーソンズ・グリーン駅付近を走る車両内で15日午前8時すぎ(日本時間同午後4時すぎ)、爆発があった。 BBCによると、顔にやけどを負うなど22人が負傷した。ロンドン警視庁は、手製の爆発物が爆発したとの見方を示しており、テロ事件として捜査を始めた。これまで犯人が捕まったとの情報はない。(関連記事を社会面に) ソーシャルメディアに投稿された、地下鉄パーソンズ・グリーン駅で、車両内に置かれたバケツで炎が燃えている様子(9月15日)=SYLVAIN PENNEC氏・ロイター メイ首相も状況について説明を随時受けている。メイ氏は同日、「私の心はパーソンズ・グリーンの被害者と共にある」とツイッターに投稿した。メイ氏は同日午後、治安当局トップなどを集めた緊急閣僚会合を開き、対策を協議した。 現場はロンドン中心部の南西にある住宅街。爆発が起きた当時は通勤時間帯にあたり、車両内は通勤客で混雑していた。目撃者によると、車両が駅に着く直前に大きな爆発音が発生。炎が上がり、車内から逃げだそうとする人々が折り重なった。数百人の人たちが走って逃げ、人々が泣き叫ぶ声などで周囲はパニック状態になった。強い異臭もしたという。 現場には多数の警察や救急車両が集まっている。18人が病院に搬送され、4人が自分で病院に駆けつけたが、現時点で重傷者はいないという。日本人が巻き込まれたとの情報もない。 ツイッター上には、スーパーの袋に入った白いバケツが車両内に置かれ、燃えている様子が投稿された。英警察はこれが手製の爆発物ではないかとみて調査している。 BBCはタイマー付きだった可能性があると指摘。爆発に失敗したため威力も小さく、被害が小さかったのではないかとの見方も浮上している。 これまで逮捕者の有無などの情報は出ていない。英警察は「詳しい原因に言及するのは時期尚早」とし、テロ対策チームが背後関係などを慎重に調査中としている。 英国では今年、22人が犠牲になった中部マンチェスターの爆弾事件を含め4件のテロ事件が発生。今回で5件目となる。ロンドンでは2005年7月にも地下鉄などを標的にした同時テロが発生し、52人が犠牲になった。今回の事件でも地下鉄が狙われたことから同時テロを想起させ、住民に不安が広がっている。 トランプ米大統領は15日、ツイッターで「ロンドンで再びテロが起きた。負け犬のテロリストにはもっと厳しく対応すべきだ」などと投稿した。