学校法人「加計学園」 (岡山市)が2018年4月の 開学を予定する獣医学部を巡り、 文部科学省の 大学設置・ 学校法人審議会(設置審)の 専門委員会が、 同学園が再提出した計画に改善が見られると評価する意見をまと
学校法人「加計学園」(岡山市)が2018年4月の開学を予定する獣医学部を巡り、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の専門委員会が、同学園が再提出した計画に改善が見られると評価する意見をまとめたことが2日、わかった。設置審は今後、最終的に計画を認可し、10日にも林芳正文科相に答申する見通しだ。 加計学園が運営する岡山理科大が来春開校を予定する獣医学部の建設現場(9月、愛媛県今治市) 獣医学部の新設は52年ぶり。獣医師の増えすぎなどを抑えるため1966年の北里大を最後に認められていなかったが、政府の国家戦略特区諮問会議が特区で獣医学部の空白地域に限り新設を認める方針を示した。 加計学園は17年3月、運営する岡山理科大学の獣医学部を特区の愛媛県今治市に新設することを申請したが、設置審は8月、学生の実習期間が短いことなどを理由に認可の是非の判断を保留した。その後、同学園が修正計画を提出。設置審の専門委が改めて計画を審査した結果、認可が適当と判断したとみられる。 安倍晋三首相の長年の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部を巡っては、特区担当の内閣府が文科省に「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと早期開学を促したとする文科省の記録文書が5月、明らかになった。 菅義偉官房長官は当初、記録文書について「怪文書」と発言したが、前川喜平前文科次官が「文書は確実に存在した」「行政がゆがめられた」などと証言。その後、文書は文科省の再調査で存在が確認された。 安倍首相が国家戦略特区諮問会議の議長を務めていることなどから、新設計画に特別な配慮があったのではないのかとの疑惑が浮上した。野党は国会で「特区制度の活用手続きが『加計ありき』で進められた」と追及し、7月の東京都議選では自民党が惨敗する一因となった。 一方、安倍首相や政府側は疑惑を一貫して否定した。諮問会議の民間議員は「首相からの要請は一切なかった」「獣医学部の新設を認めない岩盤規制の改革が実現した」などと主張。加戸守行・前愛媛県知事は国会で「我慢させられてきた岩盤規制にドリルで穴を開けていただいた。ゆがめられた行政が正された」と証言した。