宮内庁は８日、 天皇陛下の 退位日について安倍晋三首相が意見を聴いた今月１日の 皇室会議の 議事概要を同庁の ホームページに公表した。 会議時間は１時間１４分だったが、 議事概要に記載された議員の 意見は三つで、 発言者名は明らかにしなかった。 専門家からは「議論の 過程が分からず、 国民への 説明責任が果たされているとは言えない」 との 声が上がっている。
宮内庁は８日、天皇陛下の退位日について安倍晋三首相が意見を聴いた今月１日の皇室会議の議事概要を同庁のホームページに公表した。会議時間は１時間１４分だったが、議事概要に記載された議員の意見は三つで、発言者名は明らかにしなかった。専門家からは「議論の過程が分からず、国民への説明責任が果たされているとは言えない」との声が上がっている。
議事概要に記載された議員の意見は、陛下には（２０１９年）１月７日の在位満３０年の節目を迎えていただきたい▽国民生活への影響などを考慮する▽静かな環境で陛下の退位と皇太子さまの即位を寿（ことほ）ぐにふさわしい日にする－－の三つ。
議長の安倍首相は「１９年４月３０日退位」の意見案を示し、理由として▽儀式の準備などに最低でも１年の期間が必要▽１９年４月に統一地方選が実施される見込み▽４月前半は全国的に人の移動が激しい－－などを挙げたとしている。意見案への議員の発言は記載されていない。
宮内庁で開かれた皇室会議には三権の長や皇族ら１０人が議員として出席。山本信一郎宮内庁長官は、皇室会議終了後の１日の記者会見で「各議員からそれぞれ発言があった」と話していた。公文書管理に詳しい瀬畑源・長野県短大准教授は「政府は詳細な議事録を公開することで説明責任を果たし、退位や改元がどうしてこの時期になったか、国民に理解をしてもらうべきだ」と話している。【高島博之】
