北朝鮮の 五輪選手団派遣の 意向に配慮か
アメリカのトランプ大統領と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1月4日夜に電話会談し、韓国・平昌で2月に開かれる冬季オリンピックの期間中は合同軍事演習をしない方針で合意した。 聯合ニュース などが伝えた。
オリンピックへの選手団派遣に前向きな姿勢をみせている北朝鮮に配慮した形だ。
平昌オリンピックは2月9~25日に開催予定。一方、 朝鮮日報 によると、アメリカと韓国がこの時期に軍事演習するのは定例となっている。
聯合ニュースによると、アメリカと韓国の両首脳は約30分間にわたって会談し、期間中の演習回避を決めたという。
文大統領はトランプ大統領に対し、演習回避によって「平昌五輪が平和の五輪となり、興行的に成功することに大きく役立つ」と意義を強調。トランプ大統領も「五輪期間中に軍事演習はないと言ってもよい」と賛同したという。
五輪をめぐっては、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が1月1日、新年の辞を述べる中で「成功を心から望む」などと発言し、代表団の派遣についても前向きに検討すると言及。これを受け、約2年間途絶えていた直通電話(ホットライン)も再開されるなど、「平和の祭典」を前に緊張状態が緩和する兆しが出てきた。
ただ、金委員長は同時に、アメリカ本土を攻撃できる核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイルの実戦配備も宣言。核・ミサイル開発を続ける姿勢を崩していない。 CNN によると、アメリカの情報機関と軍の関係者も金氏の態度について懐疑的に見ており、朝鮮半島情勢は依然予断を許さないとの見通しを伝えている。