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富士フイルムとの統合合意解消 ゼロックス二転三転

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米事務機器大手の ゼロックスは13日、 富士フイルムホールディングスによる買収合意を解消すると発表した。 買収に反対する大株主の カール・ アイカーン氏らと改めて和解し、 同氏らが推薦
【ニューヨーク=中山修志】米事務機器大手のゼロックスは13日、 富士フイルムホールディングス による買収合意を解消すると発表した。買収に反対する大株主のカール・アイカーン氏らと改めて和解し、同氏らが推薦する取締役を受け入れる。ゼロックス経営陣は方針が二転三転し、買収計画は混迷を深めている。合意解消に対し、富士フイルム側がどう対応するかが今後の焦点となる。 ゼロックスは契約解消の理由について「4月15日までに合弁会社である富士ゼロックスの財務諸表が提出されなかったため」と説明した。また「この数週間、富士フイルムに繰り返し条件の見直しを求めたが、富士フイルムから何ら保証が得られなかった。この状況では合意内容をうまく進めることができない」としている。 ゼロックスの発表資料によると、ジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)を含む6人の取締役が退任した。6月以降に開く株主総会でアイカーン氏らが推薦する5人の取締役が就任し、同氏のアドバイザーを務めるジョン・ビセンティン氏がCEOに就任する予定という。ゼロックスの取締役会はアイカーン氏側のメンバーが過半数を占めることになる。 ゼロックスは5月1日にアイカーン氏らと和解に合意したと発表。ジェイコブソンCEOらが辞任し、アイカーン氏が推薦する複数の取締役を受け入れると発表した。だが同社は2日後に「和解合意が失効した」と発表。富士フイルムによる買収手続きの差し止めを命じた米裁判所の判決を不当として上訴した。 和解合意の撤回後、アイカーン氏らとゼロックスの取締役会は株主に宛てた書簡で互いを強く批判。ゼロックスは富士フイルム側に同調したようにみられたが、再び翻意した。アイカーン氏らは株主への書簡で「ジェイコブソンCEOが辞任の見返りに多額の退職金を要求した」と明かしており、同氏を含むゼロックスの取締役が有利な条件と引き換えに辞任した可能性もある。 14日午前11時半時点で富士フイルムはコメントを出していないが、今後は同社の対応が焦点になる。同社は1日の和解案に異議申し立てで対抗しており、今回も法的手段に訴える可能性がある。アイカーン氏らは7日時点で1株40ドル以上なら買収案の受け入れの検討を示唆していた。買収の実現を優先して大幅に譲歩する選択肢もありそうだ。 物言う株主のアイカーン氏らがゼロックスの取締役会に強い影響力を持てば、富士フイルムは買収の白紙撤回を余儀なくされる可能性もある。買収計画は混迷を深める一方で、国際的な大型買収の難しさが改めて浮き彫りになっている。

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