Home Japan Japan — in Japanese 米朝、3カ所で最終調整 側近訪米、体制保証感触探る

米朝、3カ所で最終調整 側近訪米、体制保証感触探る

280
0
SHARE

【ワシントン高本耕太、 ソウル渋江千春】 北朝鮮の 金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長は30日に滞在先の 北京を出発、 米ニューヨークでポンペオ米国務長官と会談する。 トランプ大統領が金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に宛てた今月24日の 書簡への 「返信」 を、 金英哲氏が携えているとの 観測も出ている
【ワシントン高本耕太、ソウル渋江千春】北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長は30日に滞在先の北京を出発、米ニューヨークでポンペオ米国務長官と会談する。トランプ大統領が金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に宛てた今月24日の書簡への「返信」を、金英哲氏が携えているとの観測も出ている。南北軍事境界線上にある板門店、シンガポールでも各レベルで事前協議が行われており、史上初の米朝首脳会談の6月12日開催に向け、3カ所で最終調整が進められている。
聯合ニュースによると、金英哲氏は30日午後、北京空港からニューヨークへ向かった。2000年に故・金正日(キムジョンイル)総書記の特使として訪米した故・趙明禄(チョミョンロク)国防委員会第1副委員長以来、18年ぶりの北朝鮮指導者の側近の訪米となる。趙氏は当時、クリントン大統領とも会談し、互いに敵対的な意思を持たないことなどを盛り込んだ「米朝共同コミュニケ」が発表された。
ポンペオ・金英哲両氏の会談の目的は、米朝首脳の意思を互いに明確に把握することだ。両首脳から信任を得た「名代」同士が、北朝鮮の非核化や体制保証などを巡って、どのような成果が得られるかの感触を探り合ったうえで、会談にゴーサインを出すかの最終判断がされるとみられる。
米ホワイトハウスのサンダース報道官は29日、米朝首脳会談について、6月12日開催を前提に「準備を進めている」と述べた。また、国務省はポンペオ氏が金英哲氏との会談のため30、31日にニューヨーク入りすると発表した。
一方、国務省のナウアート報道官は29日の記者会見で「1年前、半年前を思えば感慨深い。朝鮮半島の非核化について今、三つの会談が同時進行している」と語った。国交のない米朝がさまざまなレベルで双方の意思確認を急いでいる。
板門店では、ソン・キム駐フィリピン大使率いる米政府代表団が、北朝鮮の崔善姫(チェソニ)外務次官らと行っていた協議が30日、終了した模様だ。キム大使は00年代から北朝鮮の核問題に携わり、一方の崔次官も長年、対米政策に関わってきた。両氏はともに05年の6カ国協議に参加し、互いをよく知る関係。核の外交の「専門家」同士の会談で、現存する核弾頭の国外搬出方法や具体的な見返り措置など、首脳会談での議題設定、論点整理に関する突っ込んだ協議が行われたとみられ、協議結果はポンペオ氏と金英哲氏との会談で再度検討されると見られる。
開催地シンガポールでの先遣チームによる協議には、ホワイトハウスで大統領の公式行事を統括するヘイギン大統領次席補佐官ら、北朝鮮からは金委員長の「執事」と呼ばれるキム・チャンソン国務委員会部長らが参加。会場設営や動線、警備などに関する細かな調整を続けている模様で、シンガポール政府の関係者を含めた会談が行われている可能性も指摘されている。国際社会の注目を集める米朝首脳会談には、数千人規模の各国メディアも訪れる見通しで、報道対応を含めた「ロジ」面の準備も成否を左右することになる。

Continue reading...