Home Japan Japan — in Japanese 大阪万博誘致:提案書はカジノ「隠し」 タブー国の票意識

大阪万博誘致:提案書はカジノ「隠し」 タブー国の票意識

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2025年の 国際博覧会(万博)の 大阪開催に向けた誘致活動を巡り、 会場予定地の 人工島・ 夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で計画される統合型リゾート(IR)の 中核を占めるカジノについて、 国が博覧会国際事務局(BIE、 本部・ パリ)に提出する「招致提案書」 では一切言及しないことになった。 開催地はBIEの 加盟国による投票で決まるが、 宗教上の 理由などからギャンブルをタブー視する国もあるからだ。
2025年の国際博覧会(万博)の大阪開催に向けた誘致活動を巡り、会場予定地の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で計画される統合型リゾート(IR)の中核を占めるカジノについて、国が博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)に提出する「招致提案書」では一切言及しないことになった。開催地はBIEの加盟国による投票で決まるが、宗教上の理由などからギャンブルをタブー視する国もあるからだ。
万博の開催地はBIE総会で加盟国による投票で決められ、25年の開催地は来年11月の総会で決まる見通し。経済産業省によると、加盟国は今年2月現在で168カ国だが、国の国内総生産(GDP)などに応じて決まる分担金を支払わないと投票権はない。日本は年約540万円で、一番低い国では30万円程度。分担金を支払っている国は昨年11月現在、112カ国という。
投票は1カ国につき1票で、候補地が2カ所ならば過半数を得れば決定。3カ所以上の場合は票数の3分の2以上が必要だが、達しない場合は最下位の候補地を除いて投票を続け、最後に過半数を得た候補地が選ばれる。
大阪府と市は万博会場予定地の夢洲でIRの誘致も計画し、カジノは集客の中核。関西財界には、万博に必要な交通インフラをIRと一体的に整備し、湾岸地域の活性化を図る期待がある。万博の来場客をIRのホテルで受け入れることでの相乗効果や、万博の跡地利用としてパビリオンをIR施設に再利用する案も想定される。
ただ、イスラム圏など賭博をタブー視する国は少なくない。誘致活動は11日にも予定されている政府の閣議了解から本格化し、6月のBIE総会からプレゼンテーションが始まる。政府は万博の具体的な内容を盛り込んだ招致提案書を今秋に提出する予定だが、加盟国から多くの支持を得るにはカジノには触れない方が得策と判断した。誘致レースではフランスが首都パリでの開催を目指して先行しており、日本の誘致関係者は「投票に勝つためには、さまざまな点を考慮する必要がある」と言う。【念佛明奈】

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