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大阪桐蔭8-3履正社(その2止) 大阪桐蔭、圧巻4発

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<2017 第89回センバツ高校野球> 決勝(1日・ 阪神甲子園球場) ■白球を追って 万全18番 決勝初、 代打弾 力強くたたいた打球が左翼席に飛び込む。 今大会3打席目の 大阪桐蔭・ 西島による、 決勝史上初の 代打本塁打。 ベンチで迎えた西谷監督は主役を熱く抱きしめた。 その 姿が、 どれだけ貴重な一発だったかを物語る。
<2017 第89回センバツ高校野球>
■白球を追って
力強くたたいた打球が左翼席に飛び込む。今大会3打席目の大阪桐蔭・西島による、決勝史上初の代打本塁打。ベンチで迎えた西谷監督は主役を熱く抱きしめた。その姿が、どれだけ貴重な一発だったかを物語る。
3-0から追いつかれた直後の九回1死二塁。好投していたエース・徳山に代打を送った。救援で下級生の根尾が控えていたとはいえ、「勇気がいった」と西谷監督。決断の背景には、西島の視線があった。先頭打者が出ると、指揮官を見つめてアピール。西島は「目が合った。いつでも準備はできていた」。
西島の言う準備は三つあった。まずは、心の準備。一回からブルペンで控え投手の球を受けていたため、素振りはできていなかった。ただ、その間にも相手投手を観察。調子が良くないことに気づいていた。
事前の準備も生かした。前日と当日朝、履正社と1回戦で対戦した日大三の映像をチームで見た。「たたいて低い打球を打っていた。そのイメージで打席に入った」
そこに伝統も加わる。「大阪桐蔭の代打はファーストストライクから自分のスイングをすることを先輩から学んだ」。2ボールからの内角直球をバックネットへファウルし、「いい形で振れた」。直後の4球目、同じ内角直球に反応した。「観察」「イメージ」「伝統」。すべての準備をバットに込めた。
藤浪晋太郎(現阪神)、森友哉(現西武)という超高校級バッテリーを擁して頂点に立った2012年春と比べ、西谷監督は「全く力は及ばない」という。ただ、個々の能力が劣っても、ワンプレーに最大限の力を発揮するために最善を尽くす西島が、ベンチ入り最後の背番号「18」をつける。5年前とはまた違った選手層の厚さを見せつけた。【安田光高】
○…大阪桐蔭の泉口が「いぶし銀」の働きで優勝を手繰り寄せた。五回に中前打を放つと、追いつかれた直後の九回は無死一塁で送りバントをきっちり決め、代打・西島の決勝2点本塁打のお膳立てをした。遊撃手としても七回2死二塁で中前に抜けそうなゴロに追いついてアウトにし、併殺も三つ完成させた。遊撃手は1学年下の根尾が起用されることが多く、今大会のスタメンは2回目。出番は限られたが攻守で貢献し、「必死にやった。出た時はしっかりやれました」と笑顔を見せた。
○…大阪桐蔭の7番・坂之下が自身も驚く一発を放った。1点リードの二回。「コンパクトに上からたたこう」と高めの直球を捉えると、追加点となる左越え本塁打となった。同点の九回には先頭打者として右前打を放ち、勝ち越しにつなげた。
「桐蔭は決勝で負けたことがない。焦りは一切無かった」と坂之下。「晴れた太陽のようになってほしい」と両親から名付けられた「晴人(はると)」の名前通り、「ハレの日」をもたらした。
試合開始のサイレンから58秒。大阪桐蔭の1番・藤原恭大(きょうた)の打球が右翼席に入った。決勝での先頭打者本塁打は、1982年にPL学園(大阪)の佐藤公宏が達成して以来2回目。大阪桐蔭がこれからの高校野球界をリードすることを宣言しているかのようだった。
藤原の兄・海成(かいせい)さん(18)は部員募集停止のため、昨夏限りで休部したPL学園の最後の選手だった。恭大も進学を希望したが、募集停止のため大阪桐蔭へ。PL学園が大阪府高野連から脱退して3日後のこの日、六回にも本塁打を放ち「1試合2本は初めて」と驚く活躍をみせた。
大阪勢のセンバツ優勝は10回目で愛知と並んで最多。うち3回がPL学園だ。桑田真澄、清原和博を擁して一時代を築き、夏も含めると、1978年から87年までの10年間で、7回頂点に立った。80年秋から指揮を執った中村順司氏は「私が現役の頃は浪商(現大体大浪商)や明星が強かった」。他にも興国、北陽(現関大北陽)、近大付といったしのぎを削っていた私学を倒し、黄金期を築いた。
そのPL学園の壁に挑み続けたのが大阪桐蔭だ。大阪桐蔭の西谷浩一監督も「大きな壁だった」とかつて話した。2008年からの10年で、春2回、夏3回の優勝を果たし、最強の系譜を引き継いだ。中村氏は「これからも新しい歴史を作ってほしい」とエールを送る。
2000年生まれの藤原はまだ2年生。来年の第90回センバツや夏の100回に出場できる世代だ。大阪桐蔭の挑戦はこれからも続く。【安田光高】
■春きらめく
初回からフルスロットルだった。一回、味方が1点を先制したその裏。スライダーで2者連続三振を奪うと、迎えたのは昨秋の大阪大会準決勝で本塁打された安田。3ボール2ストライクとなり、「(チームに)勢いつけたろ」と外角いっぱいの直球で、狙い通りに見逃し三振。ポーンとグラブをたたき、ベンチに小走りで戻った。
2月に正捕手・岩本がけがで離脱。それは自身にとっても最大の危機だった。「リードで引っ張ってくれていた。すごいショックだった」。しかし、ピンチは自覚を促した。「勝っていくためには絶対的な存在が必要。それにふさわしいエースになる」。秋に履正社打線に打ち込まれた反省から、制球力を磨いた。甲子園では1回戦から攻めの投球を貫いた。
八回、制球が甘くなり追いつかれたが、「動揺は無かった」。逆転は許さなかった。「秋の悔しさを晴らした。どんな場面でも気持ちで向かっていける。自分でも驚くくらい成長した」。屈辱と危機を乗り越え、「絶対的エース」になった右腕の顔が光り輝いた。【生野貴紀】
○…大阪桐蔭の優勝の瞬間をマウンドで迎えたのは根尾だった。この日は先発を外れ、代打で途中出場。九回にエース徳山を救援した。
「体のバランスが悪く、思った通りに投げられなかった」と2四球を与えて1死一、二塁のピンチを招いたものの、最後は捕手のサインに首を振ってまで投げたスライダーで遊ゴロ併殺にしとめた。
優勝投手となったものの、「勝てたのは徳山さんのお陰」と謙遜。「レベルアップしないと」と上を見た。
◆都道府県別選抜優勝回数
1位 愛知 10回
〃 大阪
3位 神奈川 6回
〃 兵庫
5位 東京 5回
〃 和歌山
〃 徳島
〃 広島
投手 徳山壮磨(大阪桐蔭)
捕手 古賀悠斗(福岡大大濠)
一塁手 浜内太陽(履正社)
二塁手 坂之下晴人(大阪桐蔭)
三塁手 山田健太(大阪桐蔭)
遊撃手 小園海斗(報徳学園)
外野手 植田拓(盛岡大付)
〃 遠藤秀斗(東海大福岡)
〃 小野寺大輝(健大高崎)
第14回(1937年) 浪華商2-0中京商
第21回(49年) 北野6-4芦屋
第27回(55年) 浪華商4-3桐生
第53回(81年) PL学園2-1印旛
第54回(82年) PL学園15-2二松学舎大付
第59回(87年) PL学園7-1関東一
第62回(90年) 近大付5-2新田
第65回(93年) 上宮3-0大宮東
第84回(2012年)大阪桐蔭7-3光星学院
第89回(17年) 大阪桐蔭8-3履正社
浪華商=現大体大浪商
中京商=現中京大中京
印旛=現印旛明誠
光星学院=現八戸学院光星

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