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「実績と知名度」で落着か 29日の貴乃花親方処分

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◇「なぜ」 に答えずひたすら謝罪【特集】 風化させるな大相撲事件史~繰り返される仰天騒動~ 前日の 森友問題をめぐる国会の 証人喚問と同様、 「なぜ」 の 疑問は晴れなかった。 28日、 エディオンアリーナ大阪で開かれた日本相撲協会の 年寄総会。 一連の 行動について親方衆から説明を求められた貴乃花親方(元横綱)は、 ひたすら謝罪を繰り返した。 釈然としないもの を抱えながらも、 疲弊した親方たちは貴乃花親方の 処分を29日の 臨時理事会に委ねた。 正午から始まった年寄総会。 昨秋以来の 行動や言動について、 親方たちから質問が相次いだ
◇「なぜ」に答えずひたすら謝罪
【特集】風化させるな大相撲事件史~繰り返される仰天騒動~
前日の森友問題をめぐる国会の証人喚問と同様、「なぜ」の疑問は晴れなかった。28日、エディオンアリーナ大阪で開かれた日本相撲協会の年寄総会。一連の行動について親方衆から説明を求められた貴乃花親方(元横綱)は、ひたすら謝罪を繰り返した。釈然としないものを抱えながらも、疲弊した親方たちは貴乃花親方の処分を29日の臨時理事会に委ねた。 正午から始まった年寄総会。昨秋以来の行動や言動について、親方たちから質問が相次いだ。元日馬富士による傷害事件をめぐる行動。ホームページや無許可のテレビ出演で一方的に行った協会批判。自分は何も語らず、週刊誌などで支援者と名乗る人々も批判を繰り返した。そして度重なる会議や暴力防止研修会の欠席、春場所開幕当初の無断欠勤…。 年寄会の錦戸会長(元関脇水戸泉)は「何か理由があるだろうと、こういう場を設けた」と説明したが、親方衆によると「反省しています」「すみませんでした」「悪いのは全て私です」など謝罪の繰り返しで、具体的な説明はほぼなかったという。総会後の記者会見でも同じだった。 被害者の師匠として世論の支持があった、元日馬富士の傷害事件をめぐる行動についても「いささか真実を追求しようという気持ちが強く、かたくなな姿勢を取ってしまった。そして協会に多大なご迷惑をお掛けした」と非を認めた。 23日に撤回の意向を表明していた内閣府への告発状はこの日、正式に取り下げの手続きをしたことを明らかにした。ただ年寄総会出席者によると、総会の場では、告発の趣旨も誤りだったとの意味かと問われてそう認めたというが、記者会見では、同様の質問に対して「いや、あの…」と言いよどむ場面もあった。 ◇味方にも敵にもなる人気 それでも、大荒れが予想された年寄総会は、全体に落ち着いたやりとりだったようだ。貴乃花親方が8年前の理事選で飛び出し、最も遺恨がある二所ノ関一門も、年寄会副会長の高田川親方(元関脇安芸乃島)によると「本来なら(解雇に相当する)契約解除に値するという意見もあれば、一から頑張ってもらえばいいという意見も、その中間もあった」という。 貴乃花一門の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「契約解除だけは避けてくださいというお願いの文書を出した」と明かし、「あすの理事会でいい方向へ行くように祈るだけ」と話した。 最終的に、年寄会としては判断を理事会に一任し、具体的な処分案を上申するまでには至らなかった。協会にとどめて出直しを促す処分を想定している親方が多いようだ。背景には、複数の親方が口にした「実績と知名度」がある。相撲界にとってその人気は、味方にもなれば敵にもなる。5カ月間の騒動で角界が疲弊し、本人がせっかく平身低頭している時に、契約解除して追放すればどうなるか。親方衆にはそうした危惧もあった。 半面、不信感は根強い。「信念」の人を演じ、テレビやホームページで饒舌(じょうぜつ)に展開した協会批判は何だったのか。高田川親方は「名前があって立派な人だから。俺だったら7回クビになっている」と皮肉を込め、錦戸会長は、こうまとめてクギを刺した。 「反省の色も見えるが、これからの行動で判断するしかない。100人近い親方がいるので、判断はおのおのだろう。名前も実績もあり、相撲界にとって大事な方でもある。ただ、このままでは…」 29日の臨時理事会で、どんな処分が下るか。この日発表された新体制の職務で、貴乃花親方は役員待遇委員から委員に降格となり、審判部に配置された。1月に理事を解任された貴乃花親方は慣例で役員待遇委員にとどまっていたが、そうした立場の親方が理事候補選に出て落選した場合は委員になる。これも慣例による措置で、いわば処分とは無関係の階級。29日に降格処分を受ければさらに下の主任か年寄となり、規定では降格以外に業務停止などの処分もある。 審判は部長経験があり、何より観客の目に触れる部署だ。八角理事長は「人気はあるのでお客さんの前で仕事ぶりを見せてほしい」と説明した。夏場所の土俵下にその姿はあるのか。新体制発足早々に下す裁定とそれを受けた貴乃花親方の行動は、相撲界の今後を大きく左右する。(時事ドットコム編集部)(2018/03/28-21:00)

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