自民党は２４日、 地方組織の 幹部が集まる「青年部・ 青年局、 女性局合同全国大会」 と「全国幹事長会議」 を党本部で開いた。 二つの 会合の 冒頭で、 安倍晋三首相（党総裁）が森友学園を巡る財務省の 決裁文書改ざん問題について陳謝し、 地方の 不満に「先手」 を打った。 その 後、 会議で首相への 不満が噴出する事態は避けられたが
自民党は２４日、地方組織の幹部が集まる「青年部・青年局、女性局合同全国大会」と「全国幹事長会議」を党本部で開いた。二つの会合の冒頭で、安倍晋三首相（党総裁）が森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざん問題について陳謝し、地方の不満に「先手」を打った。その後、会議で首相への不満が噴出する事態は避けられたが、統一地方選、参院選を来年に控えた地方にはなお不満がくすぶる。
二つの会合で首相は硬い表情で「まず」と話し始めて改ざん問題を陳謝。幹事長会議では「大変ご心配をおかけしている。改めて国民の皆様に深くおわび申し上げたい」と語った。「行政に対する信頼を揺るがす事態で責任の重さを痛感している。なぜこんな問題が起きたのか、全容解明し、二度と起こらないよう組織を立て直す」とも述べた。
この対応が奏功したためか、質疑で問題に正面から言及したのは大阪府連だけ。朝倉秀実幹事長が「党の論理ではなく国民の立場に立って明らかにし、責任を持って対応してほしい」と注文し、「次の戦いは我々地方の戦いになる。仲間が存分に戦えるように十二分な対応をしてほしい」と訴えた。他の地方幹部から「考えている以上に国民の目は厳しい」との声もあった。首相は既に退出済みで、萩生田光一幹事長代行が「しっかり受け止めてやっていく」と引き取った。
出席者には、統一地方選や参院選の中核となる地方議員が多く、会合後の記者団との質疑では危機感を示す県連幹部も多かった。
長野県連の萩原清幹事長は「一番しわ寄せが来るのは地方議会だ。来年に影響がないよう、一日も早く責任ある回答をして解決してほしい」と語った。石破茂元幹事長の地元・鳥取県連の安田優子幹事長は「霞が関だけの責任にするのはいかがなものか。国民の政治への信頼感を失うことを心配している。その状況下での憲法改正はどういうことになるのか」と指摘した。
一方、首相は２４日夜、地元の山口県連関係者と会食。同席した河村建夫元官房長官によると、首相は「きちんと今までやってきたことを（国民に）見てもらったら分かってもらえる。どうぞご心配なく」と語ったという。【小田中大、樋口淳也】
安倍晋三首相（自民党総裁）は２４日の党全国幹事長会議で、憲法改正について「結党以来の課題で、私たちの世代で結果を出したいと決意している。党が一致結束して向き合っていくことが大切ではないか」と述べて協力を呼びかけた。
これに先立ち、党憲法改正推進本部の細田博之本部長が都道府県連幹部を集め、党がまとめた改憲４項目の条文案を説明。首相の提起に沿って９条第２項（戦力不保持）を維持して自衛隊を明記する案に反対意見は出なかったという。参院選挙区の合区解消を求める声は多く出た。細田氏は「国民投票で過半数の同意が得られるよう環境整備をお願いしたい」と語った。
同本部では、衆参両院の憲法審査会を４月にも開いて他党との協議に入ろうとしているが、内閣支持率が急落する中では難航しそうだ。【田中裕之】
