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ブラジル大統領選、過半数に届かず決選投票へ 極右と左派候補の対決

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どちらが当選しても、 国会で多数派を形成するの はむずかしいと見られている
FERNANDO SOUZA via Getty Images
Brazil’s right-wing presidential candidate for the Social Liberal Party (PSL) Jair Bolsonaro gives his thumbs up after casting his vote at Villa Militar, during general elections, in Rio de Janeiro, Brazil, on October 7,2018. (Photo by Fernando Souza / AFP) (Photo credit should read FERNANDO SOUZA/AFP/Getty Images)
南米ブラジルで7日、テメル大統領の任期満了に伴う大統領選挙があった。過半数に達した候補はおらず、極右で社会自由党のジャイル・ボルソナーロ下院議員(63)と、左翼の労働党、フェルナンド・アダジ元サンパウロ市長(55)による決選投票が28日に行われることが決まった。
選挙管理当局の発表によると、開票率95・57%でボルソナーロ氏がトップで46・70%を得票。アダジ氏が28・37%で続いた。
弱小政党を渡り歩き、権力から遠かったボルソナーロ氏は既成政党の汚職体質を批判。歴代大統領や有力政治家など政界全体を巻き込んだ汚職スキャンダルにうんざりしている高学歴層や中間層以上を中心に人気を集めた。
軍人出身で、治安回復のために、市民の銃携行を認めるべきだなど過激な主張を続けた。女性や性的少数者を蔑視したり、軍事独裁政権を礼賛したりしたことから拒否感を示す有権者も多かった。遊説中に暴漢に襲われ、投票1週間前まで入院していた。
アダジ氏は、貧困層支援などで絶大な人気のルラ元大統領の後継候補。ルラ氏は汚職などの罪で禁錮刑の判決を受けて収監されたが、選挙前の世論調査では常に首位だった。獄中から出馬を試みたが、裁判所に失格とされた。後継指名されたアダジ氏は、ルラ氏との二人三脚を強調し、貧困層を中心に支持を得た。ただ、汚職疑惑の中心にある労働党への反発も根強い。
決選投票は、極端な右派と左派の対決となる。どちらが当選しても、国会で多数派を形成するのはむずかしいと見られており、厳しい政権運営を迫られ、混乱する可能性もあると予想されている。
ブラジルでは2016年、景気低迷や汚職疑惑で当時のジルマ・ルセフ大統領(労働党)が弾劾(だん・がい)裁判で罷免(ひ・めん)された。副大統領だったテメル氏が大統領に就任したが、今もテメル氏を含む政界全体が汚職スキャンダルに揺れている。(岡田 玄)
(朝日新聞デジタル 2018年10月08日 09時27分)

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