(27日、 日本シリーズ第1戦、 広島2―2ソフトバンク) この 上ない、 試合への 入り方だった。 一回1死、 クライマックスシリーズ(CS)最終ステージで最優秀選手に輝いた2番菊池が、 高めの 直球を左中間席へ放り…
(27日、日本シリーズ第1戦、広島2―2ソフトバンク)
この上ない、試合への入り方だった。一回1死、クライマックスシリーズ(CS)最終ステージで最優秀選手に輝いた2番菊池が、高めの直球を左中間席へ放り込んだ。「必死に打ちにいった」。先制ソロ本塁打に真っ赤に染まったスタンドが沸く。さらに3番丸が四球を選ぶ。続く鈴木の右前安打で一、二塁。5番に入った松山が右前に運んで、もう1点を加えた。
ソフトバンクの先発千賀は今季チームトップタイの13勝をあげた。打ち崩すのが簡単な投手ではない。試合前、迎(むかえ)打撃コーチは「割り切って自分のスイングをできるかどうか」をポイントに挙げていた。
リーグ3連覇を成し遂げた強力打線は積極的にいった。菊池の本塁打は3ボール1ストライクという打者に有利なカウントから。鈴木は第1ストライク、松山も初球をそれぞれ仕留めた。千賀の制球が定まらない立ち上がりに、先制パンチを見舞った。
二回以降は、立ち直った千賀、そして武田、石川ら鉄壁といわれる相手救援陣の前に二の矢、三の矢は放てず。それでも最後までリードを許すことなく引き分けた。
鈴木は「セ・リーグとはちょっと違うタイプの投手が多い。でも、ほとんどの投手をみられたのは今日の収穫」。この12回で積んだ得がたい経験を、第2戦以降にぶつけたい。(藤田絢子)