経営再建中の シャープが28日に発表した2017年3月期連結決算は、 本業の もうけを示す営業損益が624億円の 黒字(前期は1619億円の 赤字)となり、 3年ぶりの 黒字となった。 台湾の 鴻海(ホンハイ)精密工業傘下でコスト削減などを徹底し、 液晶パネルや太陽光パネルの 売り上げ減を補った。
経営再建中のシャープが28日に発表した2017年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が624億円の黒字(前期は1619億円の赤字)となり、3年ぶりの黒字となった。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下でコスト削減などを徹底し、液晶パネルや太陽光パネルの売り上げ減を補った。
売上高は前期比16.7%減の2兆506億円だった。経営危機の中、米国におけるテレビの生産・販売からの撤退といった不採算事業の見直しが影響した。
最終(当期)損益は、出資する液晶パネル製造子会社の販売不振などを受け、248億円の赤字だった。最終赤字は前期の2559億円から圧縮でき、東京都内で記者会見した野村勝明副社長は「新生シャープとして再生の道を踏み出せた」と業績回復への手応えを語った。
シャープは昨年8月、電子機器の受託製造で世界最大手の鴻海に買収され、構造改革に着手した。鴻海出身の戴正呉社長の下、物流の効率化や、割高だった原材料の購入契約見直しを進めた結果、赤字体質だった液晶や太陽光パネルなど7事業の全てで営業黒字を達成。テレビなど海外事業の再強化にも乗り出し、17年1~3月期の売上高は前年同期比7.9%増の5593億円となって11四半期ぶりに前年同期を上回り、反転攻勢の兆しも出てきた。
今後3年間の中期経営計画を発表する5月26日に、18年3月期の業績予想も公表する予定。【久野洋】