「教授」こと坂本龍一が亡くなって2026年3月で3年になる。 　他界してから、テレビでは教授の特集番組が数々放映され、映画館ではラストコンサート映画「Ryuichi　Sakamoto―opus」が公開された。さらに東京都美術館では「坂本龍一|音を視る　時を聴く」展も開催され、来館者数は同館の企画展
「教授」こと坂本龍一が亡くなって で3年になる。
他界してから、テレビでは教授の特集番組が数々放映され、映画館ではラストコンサート映画「Ryuichi Sakamoto―opus」が公開された。さらに東京都美術館では「坂本龍一|音を視る 時を聴く」展も開催され、来館者数は同館の企画展動員数歴代1位の34万人にのぼった。
こうして今もなお、教授のアートやニュースに出合えるのは幸いだ。そして今回、亡くなるまでの3年半の創作活動を、日記とプライベート映像でたどるドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto:Diaries」が公開された。未公開交響曲、親族へのインタビューも
本作は24年に放映されたNHKスペシャル「Last Days 坂本龍一 最期の日々」をベースに編集したものだ。未公開の交響曲や親族、知人インタビューなどのオリジナル要素が加えて構成されている。
監督はNHKの報道局・社会番組部に在籍する、 生まれの大森健生。23年 急きょ放映された「クローズアップ現代 坂本龍一 最期まで音楽と共に」にディレクターとして携わったことがきっかけで、スペシャル番組と今回の映画を製作することになった。
ちなみに「Last Days 坂本龍一 最期の日々」はヨーロッパの権威あるコンクール「ローズ・ドール賞」のアート部門最優秀賞、さらにアメリカの「エミー賞」アート番組部門最優秀賞を受賞した話題作だ。日記を元に「生きた姿を伝えたい」
大森監督は生前の教授に一度も会う機会がなかったそうだ。スペシャル番組を制作するにあたり、遺族に「坂本さんの生きた姿をきちんと伝えたい」と話したことで、亡くなるまでつづっていた日記の一部を見る機会を得たという。
そして8カ月にわたる対話を重ねた末、日記と遺族が撮影した貴重な映像が監督に提供された。
膨大なアーカイブを元に編集されたこの映画の基調をなすのが、教授の日記である。
日記を朗読するのは、舞踊家で俳優の田中泯。死の宣告を受けた絶望、音楽創作への意欲、人類への思いなど、心に吹き荒れる葛藤や達観を、日記の言葉の強度に負けない、深々とした声で淡々と朗読していく。庭に置いたピアノと自然の協奏
映画は静かに展開する。プロローグは、水面にゆらめく満月。「あと何回私たちは満月を見られるだろう。せいぜい20回ほどだが、人は無限の機会があると思う」と英語のナレーションが流れた後、映像は雨降りしきるニューヨークの自宅の庭にグランドピアノが運びこまれるシーンに切り替わる。
19年春、教授はピアノを庭に置き、雨風や日光にさらされて朽ちていく過程を観察する実験を始めた。このピアノは、教授が14年に患った中咽頭（いんとう）がんの療養のために訪れていたハワイで出合ったものである。
教授は庭に降り立ち、撮影する親族に「もう少し小降りになってからでもいいんじゃない？」と声をかける。しかしカメラはじっと教授を見据えたままだ。教授は雨にぬれながらピアノを弾き始める。
やがて、木々の葉っぱにたっぷりたまった雨が一斉にグランドピアノの大屋根に音を立てて落ち、天界からの贈り物のように飛沫（ひまつ）となるのだ。ピアノの音色と自然界がもたらした水のしずくによる美しい協奏から本編はスタートする。
次の映像は、20年秋の庭。教授は数枚の皿に墨で紋様を描くと、その皿を落として割っていく。カメラは創造と破壊の中で生じる音とそのコンセプチュアルな行為を楽しむ教授を捉えている。余命半年宣告 闘病生活へ
同年 。東京に戻った教授を待ち受けていたのが、余命半年という厳しい宣告だった。肝臓に腫瘍が見つかったのだ。日記にはこう記されている。
「うーん、5ケ月前にはなかったのだが」「何もせず半年過ごすか 副作用に耐えながら5年生きるか やり残したことがあると感じるかどうか――」「耐えられなければそこで辞めればいいか…。 あるいは今安楽死を選ぶか」「俺の人生終わった」
この日から再び教授の闘病生活が始まる。入院中、教授はひたすら雨の音をYouTubeで聞いていたという。「音楽は熱量が高いので、体力がないと受け止められない。雨の音は100点」と語り、「雨の音しか聴けない感覚を忘れずに作品を作ること」とつづっている。
21年春、肺に転移。日記には「ブータンに行ってしまうか、、、」。 には「音楽をやっている時は体の不調が忘れていられて楽しい」と記し、 には「僕の身体はボロボロだ」、 「人類の破滅と自己の死を見据えて曲を書く」と記している。さらに「筋力が弱まると主体性まで弱まる。抗がん剤も不愉快だ」とも打ち明けている。音楽だけが正気を保つ
、ニューヨークに戻ると、庭のピアノには雪。 末、抗がん剤の副作用で指に痛みが走るなか、ロシアのウクライナ侵攻が始まる。この日、教授は「音楽だけが正気を保つ唯一の方法かもしれない」「人間はどこでまちがえたのか」と日記に記した。
やがてカメラはウクライナの街を映し出す。ウクライナのバイオリニスト、イリア・ボンダレンコが廃虚と化した街のがれきの中に立ち、教授が提供した曲「piece of Illia」を演奏する。澄み渡るバイオリンの音色と優しい教授のピアノの一音一音が荒れ果てた大地を潤す雨垂れのように、深く胸を打つ。
教授は戦争が始まるとすぐにこの曲を作曲し、イリアに提供したのだろう。この映像は、ほどなくしてYouTubeに公開された。
同 には「こうなったらどんな運命も受け入れる準備がある」と記し、 には書棚から日本に持って帰る書籍を選んだ。ボードレール、マラルメ、プーシキン、リルケの詩集や寺山修司歌集などと共に、チベット密教の書「ゾクチェンの教え」がリストアップされた。
チベット密教では、死は悟りのための重要な機会とみなされ、魂の旅は続くといわれる。そしてその実践では、心身ともにリラックスし、覚醒を保つことが大事とされている。抗がん剤スキップ 最期のコンサート
同年 に帰国し、NHKのスタジオで人生最後となる長編コンサート映画「opus」の収録に入る。このコンサート映画は、体力が落ちていたため1曲ずつ演奏して編集された。
「diaries」の中で、教授が抗がん剤をスキップして収録に臨んでいたことが、主治医によって明かされる。
23年 、高熱に襲われて入院。 「心も身体もリラックス！」、 「気力がない」と記す。
、家族に「いい人生だった」と伝え、 、教授は病室のベッドに横たわったまま、自分が育てた東北ユースオーケストラの公演を携帯の画面で見ながら指揮をとる。
そして 。私たちは教授の命の最期に立ち会うことになる。死の 間前。カメラは胸元でピアノを奏でるようにかすかに動く、教授の指先を静かに映し出す。午前 32分。雨が降るなか、教授の魂はその身を脱ぎ捨てて天界へ旅立った。懸命に、しかしリラックスして生きよ
エンドロールは、教授が撮影した何枚もの満月の写真。月に始まり、月に終わり、雨の庭の演奏から始まり、雨音と共にこの世を去った教授の、最期の3年半を描いた本作のラストサウンドは「Happy End」。
この映画では教授の笑顔、おどける顔、そして泣き顔まで目撃することになる。ひとりの人間の生き様をこれほどクローズアップした作品には、そう出会えるものではない。
死の間際まで芸術家として生きた教授を撮影し続けた、親族の心持ちのすごさに圧倒されながら、最期の瞬間まで音楽と共にあり続けた教授のまっすぐな思いに、私の胸は燃えるように熱くなる。
そして、心の奥底にある弱さや悲しみに静かな光を当てて癒やしてくれた、教授の音楽への感謝と共に、懸命に、しかしリラックスして生きよ、というすがすがしいメッセージを受け取った。
映画を見終わったその日のこと。教授の遺産管理団体は、戦争を続けるイスラエル国内のストリーミングサービスで自身の音楽が再生されないよう要請する「No Music For Genocide」を支持し、この運動に参加したことを表明した。
このニュースを目にした瞬間、生涯「非戦」を唱え続けた教授の意思が世界に息づいて、今も私たちと共に在ることを確信した。（北澤杏里）

13日の「THE W 2025」で、霜降り明星・粗品が辛口コメントを連発した。SNSでは「粗品さんの辛口批評が的確すぎて最高!」など絶賛の声が続出。一方で「粗品さんが講釈垂れる場では無いだろ」などの意見も多かった

女性芸人の頂点を決める「女芸人No.1決定戦 THE W 」が 、日本テレビ系（後7・00）で生放送され、ニッチェが9代目女王に輝いた。今大会から審査員を務める「霜降り明星」粗品（32）が辛口コメントを連発。SNSでは「粗品が主役になってた」などの賛否両論が巻き起こった。

粗品は大会公式SNSの動画で「おもんないんで見てなかった。たまに見てもやっぱりレベルが低すぎるんですよね」とコメントして賛否両論が出ていたが、最後まで“ダメ出し”して話題を呼んだ。

最終決戦では、Aブロック勝者の紺野ぶるまとBブロック勝者のニッチェ、そして敗者復活のエルフが対戦し、ニッチェが所属事務所・マセキ芸能社初の賞レース優勝を成し遂げた。

紺野ぶるまに投票した粗品は、大会を振り返ってのコメントを求められると「賞金1000万円にしてはレベルの低い大会やったと思う」としつつも「でも面白い人も何組かいたし、最終決戦残った3組の方もこれからももっと活躍してほしい」とエール。そして「ニッチェさん優勝おめでとうございます」と祝福した。

粗品は初審査員となった今大会、ファーストラウンドからダメ出しを連発。Aブロック「とんでもあや」のネタ披露後には「準決勝でのハネ方も僕は知ってるだけに、日テレが集めた客の勘が悪すぎてあんまウケてなかったのがかわいそう」と、中継の日テレと会場の観客をまさかのディス。司会のフットボールアワー・後藤輝基に「やめてください」とツッコまれる場面もあった。

SNSでは「粗品さんの辛口批評が的確すぎて最高！」「良くも悪くも普段the Wみない俺も粗品のおかげで最後までみたもんなぁ粗品様々だろ」「粗品はまた来年以降も審査員やってほしい メチャクチャ言うてくれ」と絶賛の声が上がった一方で「毒投入で話題性がほしいのはわかるけど番組の主役は出場者であって粗品氏にしてはいけなかったのでは」「いい意味でも悪い意味でも粗品が主役になってた」「粗品さんが講釈垂れる場では無いだろ」などの批判的意見も多かった。

インドネシア・スマトラ島のアチェで、鉄砲水の被害を受けた車両＝12日（ゲッティ＝共同）【ジャカルタ共同】11月下旬のサイクロン上陸で甚大な豪雨被害が出たインドネシアの国家災害対策庁は13日、スマトラ島の死

下旬のサイクロン上陸で甚大な豪雨被害が出たインドネシアの国家災害対策庁は 、スマトラ島の死者数が1006人になったと発表した。行方不明者は217人に上り、65万人超が避難を余儀なくされている。

プラボウォ大統領は 、北スマトラ州の避難所を訪れ「あなたたちを見捨てない」と力説した。政府は海外からの支援を求めておらず、国内では大規模支援を受けるべきだとの声が上がっている。

国家災害対策庁は、復興には約52兆ルピア（約4900億円）を要すると試算した。孤立が続いている地域もあり、政府は土砂崩れなどで崩落した橋や道路の復旧作業を急いでいる。