「日本の 各地、 とりわけ遠隔の 地や島々への 旅も、 私は天皇の 象徴的行為として、 大切なもの と感じて来ました」 。 陛下は昨年8月、 譲位の 意向を示したビデオメッセージでこう…
「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました」。陛下は昨年8月、譲位の意向を示したビデオメッセージでこう述べ、離島に寄せてきた強い思いを明かされている。 宮内庁関係者は「光が当たりにくい離島にも地域の文化があり、それを大切にする人々の生活を知ることが象徴の務めだと考え、国内の隅々にまで気を配られてきた」と補足する。 天皇、皇后両陛下は即位後15年で47都道府県全てを巡られた。その中には、地域医療を視察された長崎県の福江島などの離島も含まれる。今回、屋久島は45年ぶり、与論島、沖永良部島は初のご訪問となる。 両陛下はまた、平成3年の雲仙普賢岳噴火(長崎県)を皮切りに自然災害の被災地に度々足を運び、不自由な避難生活を送る被災者らをねぎらわれてきた。23年の東日本大震災の被災地には、昨年まで6年連続で訪問されている。 昨年4月の熊本地震の際は1カ月後に日帰りの強行日程でご慰問。九州北部豪雨の被災地も早期に見舞うことを望まれたが、「行方不明者の捜索が続くなどしており、予定があった福岡県訪問に合わせて調整してきた」(側近)という。 宮内庁関係者は「譲位を前に、被災地訪問と未踏の地への訪問をかなえられる2つの旅。陛下もご自身の歩みに改めて向き合われるでしょう」と話した。