安倍首相は「相手が友人だからといって、 国益を削ることはどこもしない」 と反論した。
朝日新聞社
安倍氏・石破氏のおもな主張
20日投開票の自民党総裁選で、安倍晋三首相と石破茂・元幹事長は16日、NHK番組で論戦を交わした。トランプ米大統領との蜜月をアピールする首相を、石破氏が「友情と国益は別だ」と牽制(けんせい)すれば、首相は「信頼関係がなければ(外交は)できない」と反論。国会改革などはかみ合わなかった。
石破氏は、首相が得意と自負する外交分野に斬り込んだ。「友情と国益は別だ。各国が利益むき出しの時代。いかに国益を守り抜くか」
通商で日本に譲歩を求めるトランプ氏や、首相と22回の首脳会談を重ねながら、平和条約の年内締結を提案し、北方領土交渉を先送りする考えを示唆したロシアのプーチン大統領への対応ぶりが念頭にある。「言うべきことをきちんと言うべきだ」と訴えた。
対する首相は「相手が友人だからといって、国益を削ることはどこもしない」と反論。政権を6年近く継続したことで各国首脳と会談を繰り返すことができたとし、「人間的な信頼関係がなければ(外交は)できない。決してそれはマイナスにはならない」とした。
プーチン氏の提案については「一部の発言をもって右往左往するようなことがあってはならない」との認識を強調。北朝鮮についても「トップ同士が決めなければ進んでいかないことは私の経験で明らか」と述べ、首脳会談による打開に重ねて意欲を示した。
外交分野では北方領土問題が焦点になりつつあり、石破氏は「領土を少しでも譲るということは主権を失うこと。あってはならない」と訴えた。
(朝日新聞デジタル 2018年09月17日 03時56分)