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辺野古移設反対派に悲しみと喪失感

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「あまりに急すぎる」 。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の 名護市辺野古への 県内移設阻止の ため政府と激しく対立してきた翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事が8日、 膵臓(すいぞう)がんの 末に亡くなり、 移設反対派は深い悲しみと喪失感に包まれた。 目前に迫る辺野古埋め立ての 土砂投入を食い止めるため、 翁長知事が
「あまりに急すぎる」。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設阻止のため政府と激しく対立してきた翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事が8日、膵臓(すいぞう)がんの末に亡くなり、移設反対派は深い悲しみと喪失感に包まれた。目前に迫る辺野古埋め立ての土砂投入を食い止めるため、翁長知事が前知事による埋め立て承認撤回を進めようとした矢先の悲報。沖縄の基地の行方に影響するのか、関係者は行方を注視する。
移設反対派のリーダー的存在で8日も辺野古で抗議の座り込みをしていた山城博治・沖縄平和運動センター議長(65)は「残念でならない」と嘆く。「緊急入院していたと聞いていた。昼から翁長さん無事でいてくれ、助かってくれと天に祈っていたのだが。病床から命がけで副知事はじめ担当者に指示を出していたと思う。翁長さんありがとう、立派でしたと言うしかない」
反対派にとって今は承認撤回が頼みの綱だ。「残された県の担当者たちは知事の遺志に背を向けずに、政府にもの申すことはもの申し、あらがっていかなくてはいけない。私たちも知事の思いをくみ取っていきたい」と移設阻止への決意を新たにしていた。
「翁長さんは保守や革新を超え、基地はこれ以上いらないという一点で動いてきた人だった。これからの活躍を期待していただけにただただ残念」。辺野古に住む移設反対派の自営業、西川征夫さん(74)は惜しみつつ、今後に不安も抱く。「何としても埋め立て承認撤回を維持してほしい。だが、今後流れが変わるのではないかと心配だ。知事選では翁長さんの遺志を受け継ぎ、基地建設にノーと言える候補を擁立していきたい」
容認派も複雑だ。条件付き移設容認派で辺野古商工会理事の飯田昭弘さん(70)は死去の一報を受け「言葉がない。私たちと立場は違ったが、県民の民意を受けてそれを全うしようとしてきた人。ご苦労さまでしたと言いたい」と悼んだ。一方で「国策で進む基地移設は止まらず、地元の辺野古は(普天間飛行場返還の日米合意以来)もう22年も翻弄(ほんろう)されてきた。こうした辺野古の閉塞(へいそく)感も理解し、自分の思いばかりを貫くのでなく、腹を割って落としどころを話し合ってほしかった」と語った。【柿崎誠、青木絵美、西嶋正法】

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