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是枝監督の「万引き家族」が最高賞のパルムドールに輝く。カンヌ映画祭

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日本で6月8日に公開。 リリー・ フランキーや樹木希林らが出演
第71回カンヌ国際映画祭は19日夜(日本時間20日未明)に閉幕を迎え、長編コンペティション部門に参加した是枝裕和監督(55)の「万引き家族」が、最高賞のパルムドールを受賞した。日本映画のパルムドールは1997年の今村昌平監督の「うなぎ」以来、5作目となる。ベネチア、ベルリンを含めた世界3大映画祭での最高賞は、2002年に宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が金熊賞をとって以来となる。
「万引き家族」は、監督にとって13本目の長編劇映画。東京の下町が舞台で、今にも壊れそうな平屋で身を寄せ合って暮らす「家族」の物語。一家の生活の糧は、樹木希林さんが演じる祖母の年金だ。足りない生活費を万引きをして補う日雇い労働者の治をリリー・フランキーさんが、その妻の信代を安藤サクラさん、信代の妹役を松岡茉優さんが演じた。子役の城桧吏(じょうかいり)くんと佐々木みゆちゃんの表情豊かな演技も好評だった。
犯罪でしかつながれなかった家族を通じて、「家族のつながりとは何か」という普遍的なテーマを問いかけた作品が、世界最高峰の映画祭で最高の評価を受けた。
是枝監督は2001年に「DISTANCE」で同映画祭のコンペ部門に参加して以来7回目、コンペ部門での出品は「海街diary」以来3年ぶり5回目となる。04年の「誰も知らない」では、当時14歳だった柳楽優弥さんが最優秀男優賞を、13年の福山雅治さん主演の「そして父になる」では審査員賞を受けた。
「万引き家族」は日本で6月8日から公開される。(カンヌ=伊藤恵里奈)

パルムドール以外の主な受賞は次の通り。
グランプリ=「ブラッククランスマン」(スパイク・リー監督)▽監督賞=パベウ・パブリコフスキ(「コールド・ウォー」)▽▽男優賞=マルチェロ・フォンテ(「ドッグマン」)▽女優賞=サマル・イェスリャーモワ(「「アイカ」)▽審査員賞=「カペナウム」(ナディーン・ラバキー監督)▽脚本賞=「ハッピー・アズ・ラザロ」(アリーチェ・ロルバケル監督)、「スリー・フェイシズ」(ジャファル・パナヒ監督)▽スペシャル・パルムドール=「イメージ・ブック」(ジャンリュック・ゴダール監督)
■カンヌ国際映画祭での主な受賞
1960年 「鍵」(市川崑)審査員特別賞
63年 「切腹」(小林正樹)審査員特別賞
64年 「砂の女」(勅使河原宏)審査員特別賞
65年 「怪談」(小林正樹)審査員特別賞
78年 「愛の亡霊」(大島渚)監督賞
87年 「親鸞・白い道」(三国連太郎)審査員賞
90年 「死の棘」(小栗康平)グランプリ
2004年 「誰も知らない」(是枝裕和)柳楽優弥が最優秀男優賞
07年 「殯(もがり)の森」(河瀬直美)グランプリ
13年 「そして父になる」(是枝裕和)審査員賞
()内は監督
(朝日新聞デジタル 2018年05月20日 05時33分)

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