【ワシントン時事】 米韓両政府が１９日、 ８月に予定していた定例の 合同指揮所演習「乙支（ウルチ）フリーダムガーディアン」 の 中止を決定した。 北朝鮮に対する「最大限の 圧力」 の 一環である演習の 中止は、 非核化に向けた北朝鮮との 交渉継続を重視した結果と言える。 だが、 対話機運で弱まる圧力は演習中止で一段と低下。 専門家は「中止が長引けば、 日本を含む東アジア地域の 安全保障にも悪影響を与えかねない」 と警告する。 韓国軍と在韓米軍は毎年数回、 大規模な合同演習を実施してきた。 それに加え、 米軍は北朝鮮が弾道ミサイルを発射
【ワシントン時事】米韓両政府が１９日、８月に予定していた定例の合同指揮所演習「乙支（ウルチ）フリーダムガーディアン」の中止を決定した。北朝鮮に対する「最大限の圧力」の一環である演習の中止は、非核化に向けた北朝鮮との交渉継続を重視した結果と言える。だが、対話機運で弱まる圧力は演習中止で一段と低下。専門家は「中止が長引けば、日本を含む東アジア地域の安全保障にも悪影響を与えかねない」と警告する。 韓国軍と在韓米軍は毎年数回、大規模な合同演習を実施してきた。それに加え、米軍は北朝鮮が弾道ミサイルを発射するたびにＢ１戦略爆撃機を朝鮮半島に派遣し、航空自衛隊・韓国空軍と飛行訓練を実施。昨年１１月には日本海に展開した米空母３隻が日韓両国とそれぞれ合同演習を行い、北朝鮮に軍事圧力をかけた。 潮目が変わったのは、金英哲朝鮮労働党副委員長の訪米だった。トランプ大統領は今月１日、ホワイトハウスで英哲氏と会談後、「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない」と語り、周囲を驚かせた。実際、トランプ氏は金正恩党委員長との会談後の記者会見で約１時間にわたって成果を強調したが、一度も「圧力」という言葉を口にしなかった。 米側はかねて「米韓演習は防衛目的だ」との立場を堅持してきた。だが、トランプ氏は「戦争ゲームは挑発的だ」と断じ、一方的に中止を表明。韓国や日本にも事前に相談はなかったとされる。（2018/06/19-14:25）
