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誤審への怒り、次の勝負にぶつけて リプレー問題考える

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リプレー検証を巡るオリックス―ソフトバンク戦(6月22日、 ほっともっと神戸)の 決勝本塁打の 誤審問題は、 判断するの が人間である以上、 映像を見ても誤審は起こりうるという課題を突きつけた。 関係者の 話を総…
リプレー検証を巡るオリックス―ソフトバンク戦(6月22日、ほっともっと神戸)の決勝本塁打の誤審問題は、判断するのが人間である以上、映像を見ても誤審は起こりうるという課題を突きつけた。
関係者の話を総合すると、審判団は映像の確認方法でミスをしている。今回はフェンス際の打球を追った中継映像が一つしかなかった。審判団はこれをスロー映像で確認したが、モニターや画質などの問題で、映像が鮮明でなかったという。リーグの取り決めには「確証のある映像がない場合は、審判団の判断」とある。この時点で「判定通り」にファウルとして、試合を再開すべきだった。
しかし、延長で勝負のかかった場面だ。審判団も正確な判定への意識が強く、機器を操作してさらにコマ送り映像をチェックしたという。コマ送り映像で、球とポールが重なる瞬間のコマが抜けていたため、ボールのフェア側の通過だと勘違いしてしまったようだ。本来ならコマ送り映像は検証に使用しない。「余計なことをしてしまった」というのが実情らしい。
とはいえ、この時点で審判団は「本塁打」との確証を持って、判定を翻した。取り決めでは「リプレー検証によって出た全ての決定に対して異議を唱えることは許されない」とある。
「納得できない」というオリックスの心情は理解できる。しかし、「特例措置により続行試合(問題の場面からやり直し)」を、2度にわたり要望したのは無理があった。6月26日、野球規則委員会が出した「野球規則に従い、続行試合は行わない」という決定は最終のもの。野球協約には「規則委はコミッショナーの諮問機関」と明記してある。野球協約、野球規則、リーグの取り決めのいずれにも、特例を認める条項はない。特例の要望は「ルールを曲げろ」と求めることと同じになってしまう。
2015年9月、阪神―広島戦(甲子園)で本塁打性の打球を巡る誤審があった。広島は本塁打を認められずに引き分け、結局0・5ゲーム差でクライマックスシリーズ進出を逃した。それでも広島は「やり直し」を要望しなかった。そして翌16年、ぶっちぎりのリーグ優勝を果たした。
オリックスは今季、まだ半分近く試合が残っている。今回の怒りを、次の勝負にぶつけてほしい。(吉村良二)

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